福岡の地域情報をお届けするケーブルテレビのJ:COM福岡

Top > 九州ことば辞典 > 変ナイ






変ナイ

変ナカ服着てどこ行くとな?
余計な世話たい!それより今の若者は「変ナカ」やないで、「変ナイ」って言うとばい。

 「変ナイ」って何?
共通語の"変だ"に相当する言い方です。「変ナクなった」(連用修飾用法)・「変ナイ!」(終止用法)・「変ナイ天気」(連体修飾用法)などの使い方が見られます。

「変ナカ」はもう古い!?
九州北西部方言における形容語の終止形の変遷。
※形容語とは・・・形容詞と形容動詞の総称で、物の性質や状態を表す言葉をひっくるめた言い方。

  形容詞「赤イ」 形容動詞「静カダ」 形容動詞「変ダ」
第1段階 赤カ 静カジャ 変ジャ
 
第2段階 静カカ 変ナカ 変カ
 
第3段階 赤イ 静カヤ 変ナイ × 変ヤ

上の表に沿って、お話を進めたいと思います。

≪第1段階≫「変ジャ」
まず「赤イ」という形容詞ですが、これは九州の北西部地域の方言で「カ語尾」をつけて、「赤カ」と言われていました。他に「寒カ」「太カ」などもそうですね。これに対して形容動詞は「~デアル」の変化した「ジャ」をつけて「静カジャ」「変ジャ」と言われていました。
 
≪第2段階≫「変ナカ」「変カ」
形容詞の「カ語尾」がこの地域でよく使われるため、形容動詞にも及びます。つまり、形容詞の「カ語尾」に引きずられて、形容動詞の語尾「ジャ」が「カ」になり、「静カカ」「変カ」「変ナカ」という言い方が生まれます。
 
≪第3段階≫「変ナイ」「変ヤ」

ところが、その後共通語の急速な普及のため、形容詞の「カ語尾」が「イ語尾」に変化します。しかし、九州などでは関西の言葉の影響が強いので、関西でよく使われる「雨や!」「静かや!」などによって、形容動詞には「静カヤ」「変ヤ」という形が生まれてきました。
その中で、一部の形容動詞(ここでは「変」という言葉)は、「赤カ」から「赤イ」に変わった影響を受けて、「変ナカ」の「カ」の部分が「イ」に変化して「変ナイ」という言葉ができてきました。もちろん、共通語の影響によって「静カダ」「変ダ」という言い方も九州でも広がっています。

 どこで使われとうとかいな?
福岡県(筑前筑後地域)・佐賀県・長崎県・熊本県など、九州の北西部地域で使われています。ただ、使用頻度に地域差があり、福岡市や熊本市など都市部での使用が相対的に多いようです。
 どげな年代の人が使いようと?
主に若い人に使われる言葉です。ルーツで説明した段階が各地域で年齢差と対応しており、福岡市及び周辺地域では第1段階は高齢の方に限定され、第2段階も40代・50代以上に限られるようですね。若い世代の人々は、殆ど第3段階にあると言ってよいでしょう。