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ヨル・トル

はよ花見に行かな、桜が散りヨーばい!
心配せんでも場所は取っトーけん安心してよか。

「ヨル・トル」って何?
こちらの絵を例にしてお話しましょう。

左の絵にあります桜の花が散りつつある状態、散るという現象が進行していることを表す言い方。共通語で"散っている"と言う場合に「散りヨル」「散りヨー」と言います。
次に左の絵にありますように、桜の花がすっかり散ってしまっている状態、散るという現象が完了して、その結果花びらが下に残っていることを表す言い方。共通語で"散っている""散ってしまっている"などと言う場合に「散っトル」「散っトー」と言います。

カギは「居る」!
「人が居る」という場合、「居る」の部分を「オル」と言うことがあります。この「オル」が動詞の連用形に付いた形、例えば「散りオル」という言い方がなまって「散りヨル」、「オル」が「テ」を介して動詞の連用形に付いた形、例えば「散っテオル」という言い方がなまって「散っトル」となったんです。

散りおる→散りヨル
散っておる→散っ トル

 どこで使われとうとかいな?
「あそこに人が存在していることを何と言いますか?」と尋ねた場合、富山県・岐阜県・愛知県あたりから西側の九州を含む広い地域では「オル」と答えられます。この「オル」が「~ヨル」「~トル」のもとの言い方ですので、この広い西日本の地域で「~ヨル」「~トル」が使われています。
ただ、「~テオル」が「~トル」でなく、「~チョル」や「~チョー」に変化している地域も狭くありません。例えば、福岡県でも北九州から京筑地方は「チョル」「チョー」の方が一般的ですね。
このように共通語では「~テイル」だけで、「動作・作用の進行状況」と「動作・作用の結果状況」を区別せずに言い表すのに、西日本では「ヨル」と「トル・チョル」で区別することの意味は大きいですね。「コマイ」でお話したことと反対に、九州など地方の方で物事を細かく言い分けることは、必ずしも共通語がいつも優れているとは言えない点として注目していいですね。