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この間、トラックが道にイボッてからくさ。
おうじょうしたばい。 |
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「イボル」って何? |
意味は大きく分けて二つあります。
一つ目は共通語で言う「ぬかる」にあたり、"地面の土がどろどろになっていること"を意味します。
二つ目は共通語で言う「めり込む」にあたり、"どろどろの泥の中に足が沈み込むこと"を意味します。
「イボル」に代表されるように共通語にない地域に固有な言葉のニュアンスはなかなか捉えにくく、十分な訳ではありませんが、「イボル」をあえて共通語にあてれば、「ぬかる」「めり込む」が最も適当な言い方ではないでしょうか。
「イ」(接頭語)+「ホル」(掘る)???
これが語源ではないかという説があります。
「イ」は動詞の前にくっついて語調を整える接頭語で、『古事記』などには「い行く」「い渡る」などの形で見られます。しかし、8世紀頃でもすでに意味不明の言葉になっていたようなんです。このため、現在福岡の方言として残りうるかとなると、かなり難しいかな?と思います。いろいろ調べてみましたが、この説以外に具体的に語源を説明したものはないようで、語源不明の状態です・・・。
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どこで使われとうとかいな? |

大学生を調査した結果ですが、「使う」という答えと「知らない」という答えだけをまとめてみました。
地域的に見ると、福岡市出身の学生は「使う」と「知らない」がともに約4割で拮抗しています。次に福岡市周辺(宗像・古賀・粕屋・大野城・太宰府・前原など)の学生になると約60%が「使う」と答え、「知らない」という答えは約17%になります。
ところが、それ以外の地域、北九州から豊前・行橋方面は約95%の学生が「知らない」と答え、「使う」の人はいないんです。筑豊では100%が「知らない」。更に、一般的に伝統的な方言をよく残している筑後出身の学生でも「知らない」が約92%に対し、「使う」はたった4%という結果でした。
こんなことから、福岡市及び周辺地域に限られていますが、この範囲ではたいへんよく使われている言葉だと言えますね。なお、若者でこの使用率ですので、年配の方になるともっと使用率は高くなると考えられます。
| いぼる |
| (1) |
灸を据えた跡がただれる。
茨城県・埼玉県・神奈川県・静岡県 |
| (2) |
傷やはれ物などが化膿する。
山梨県・長野県 |
| (3) |
結果がたたる。後腹が病める。
岐阜県 |
| (4) |
怒る。憤る。また、ふてくされて当たり散らす。
栃木県・群馬県・埼玉県・新潟県・長崎県壱岐島 |
| (5) |
不平を鳴らす。また、すねたり、ものをねだったりする。
群馬県・新潟県・兵庫県 |
| (6) |
もてあそぶ。いじる。
奈良県 |
| (7) |
飽きる。
三重県 |
| (8) |
盗む。
香川県 |
| (9) |
料理する。
高知県 |
| (10) |
咳をする。
埼玉県 |
| 以下、省略 |
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| 『日本方言大辞典』(小学館)による |
『日本方言大辞典』を見ると、「イボル」という項目は載っています。
しかし、意味は(1)「灸を据えた跡がただれる」・(2)「傷やはれ物などが化膿する」など、皮膚の状態を表す意味や(4)「怒る・憤る」・(5)「不平を鳴らす」など、感情的になる意味だけで、ここで説明してきたような「イボル」の意味は出てきません。また使われいる地域も茨城県・埼玉県・神奈川県・静岡県・山梨県・長野県など、関東及びその周辺地域が中心なんです。
この辞典も万全なものではありませんが、「ぬかる」「めり込む」という意味の「イボル」は全国的に見ても福岡市あたりだけで使われている言い方だと言っていいかもしれませんね。
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