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クサ

昨日食べ過ぎてクサ
今日は食べる気がおこらんちゃんね。
1日ぐらい食べんでもよかクサ

「クサ」って何?
共通語の助詞"ね"や"よ"にあたる表現です。文中に表れるときは間投助詞、文末に表れるときは終助詞と言いますが、意味は基本的に同じです。
その使い方を詳しくみるため、『日本方言大辞典』(小学館)の「クサ」の説明をまとめなおしてみました。

クサ
(a) 文末で使われる言い方。
「そげんことなかクサ!」のように軽く念を押す気持ちを添える用法で使われます。
(b) 文節の最後において、軽い強調の意を添えたり、相手の注意を促したりする用法。
「(バーゲンから帰ってきて)それがクサ、もう人のおーして、おーして!」などの形で使われます。
(c) 呼びかけの用法。(b)と同じように文節の最後につく。
「あのクサ?」「あんたクサ?」などのように文頭で相手に呼びかける時に使われます。
『日本方言大辞典』(小学館)による

あの『枕草子』に語源現る!
平安時代に使われていた「コソアレ」が元々の言い方ではないかと考えられます。本来は『枕草子』に「世に木どもこそあれ」で"世の中に木が沢山あるけど"を表すように「こそ多くあれ」、その他「こそよくあれ」「こそ書くあれ」など、「多く」「よく」「書く」の省略された言い方だったようです。「コソ」はこの時代には強めの係助詞として「アレ」のような已然形を文末に求めます(いわゆる係り結びです)。今日では係り結びはなくなりましたが、「今日コソちゃんと勉強しよう。」などのように強めの用法は「コソ」に残っていますね。
「コソアレ」の「アレ」はラ変の動詞「アリ」の已然形ですが、この「コソアレ」がなまって「クサ」になっていく変化の中で「アリ」という動詞の持つ"存在"の意味がなくなり、「コソ」の持つ"強め""取り立て"の意味だけが残って「クサ」に引き継がれたと言えます。
江戸時代の初め頃には九州の方言と考えられていたようで、近松門左衛門の『博多小女郎波枕』(1718年)という浄瑠璃に出てくる長崎生まれの海賊のお頭・毛剃九右衛門は「長か赤鰯の小尻がくさの?」など、そのセリフでよく「クサ」を使っています。

係助詞の「コソ」+ラ変動詞「アリ」の已然形「アレ」=「コソアレ」
これがなまって「クサ

 どこで使われとうとかいな?
「クサ」という形では、福岡県・佐賀県・熊本県など、北部九州で使われています。「クサ」の他、地域によっては「クソ」「クセ」「クサイ」「クサン」などの言い方もあり、それらを含めるとその周辺も入ってくるようです。