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そげん言うばってん、あんたの包丁裁きもエズカばい。 |
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「エズイ」って何? |
共通語の"オソロシイ・コワイ"に相当する恐怖心を表す形容詞です。
「エスイ」というところもあります。九州で使われる言い方ですので、カ語尾をとって「エズカ」「エスカ」という方が感じがでているかもしれませんね。
「エズイ」のご先祖様は「オズシ」!?
歴史的に見ますと、京都の古い言葉なんですよ。
室町時代の終わり頃に『日葡辞書』(1603?1604年)というキリスト教の宣教者たちが作った日本語の辞書がありますが、その中に「エズイ」という項目が見られます。そこに"恐ろしくてぞっとするような(もの)"とまさしく恐怖心を表す意味が記されています。
また、「エズイ」に似た語形で「オゾイ」という言葉があるんですが、これも"恐ろしい(もの)・気味のわるい(もの)"という意味で『日葡辞書』に出てきます。「エズイ」と「オゾイ」は、[e]と[o]・[u]と[o]といった母音の違いしかない言い方どうしなので、兄弟もしくは親子のような関係ではないかと思われます。
「エズイ」は15世紀くらいからの言葉ですが、「オゾイ」は「オゾシ」という形で平安時代(10世紀頃)から見られます。更にさかのぼると、奈良時代(8世紀)には「オズシ」という言い方が確認できます。これが「エズイ」「オゾイ」の一番古い言い方ではないかと考えられます。
ただ、この「オズシ」は"性格が強く激しい・気性が荒々しい"という意味を元々は表していました。この原義というべき意味は「オゾシ・オゾイ」にもありましたが、徐々にこのような性格を傍から見てどのように感じるかを表すようになってきました。そんな恐怖心を専ら表すようになった姿を『日葡辞書』の「エズイ」「オゾイ」に見ることができる訳ですね。
結局、「エズイ」は、一番古い「オズシ」が変化して生まれたか、「オズシ」が「オゾシ」に変化して「オゾイ」から生まれたかのどちらかだろうと考えられます。その後江戸時代も半ばになりますと、京都では使われなくなり、九州に残ったということなんですね。
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どこで使われとうとかいな? |
恐怖心を表す「エズイ」は九州北西部地方で使われています。つまり、福岡県内では筑前・筑後地方、佐賀県、長崎県北部、熊本県北部などです。また「オゾイ」は、北陸・山陰にも見られますが、九州では大分県、宮崎県で使われています。「エズイ」の隣りの地域に分布していることからも「エズイ」と「オゾイ」が密接な関係にあることが分かるかと思います。
ただ、目や皮膚の違和感など、恐怖心以外にいろいろな意味を表します。それらを含めると、「エズイ」という言い方は、ほぼ全国で使われていると言えます。
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