| 運動と病 |
生活習慣病とよばれている主な病気には「肥満症」、「高血圧」、「糖尿病」、「高脂血症」などがあります。これらはそれぞれの原因で発症するというよりも、内臓に脂肪が蓄積されることで、さまざまな病気が発症し『メタボリックシンドローム』と総称するようになりました。しかし、この「メタボリックシンドローム」を防ぐ方法は、「内臓脂肪の蓄積を防ぐ」だけでなく「運動を行なう」ことで予防できることが判明したのです。
肥満ドッグを受けた人達のデータを解析してみると、男女とも体脂肪率が同等でも持久力の高い人は、低い人に比べ、血糖値を下げる能力が高く、高血圧や糖尿病になりにくいことが確認できました。肥満でも努めて運動する人は、そうでない人よりも格段に生活習慣病になりにくい健康体なのです。肥満を気にしてトレーニングを始めた人にもかかわらず、なかなか痩せない人も確実に健康な体になっているのです。適度な運動は、体内の活性酸素を消去する抗酸化能力と免疫機能を高め、がん細胞を殺し増殖を妨げたり、精神的なストレスは軽減することもできるのです。
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福岡大学スポーツ科学部
田中 宏暁先生 |
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| ニコニコペースによる運動とは? |
「ニコニコペース」は、福岡大学スポーツ科学部の運動生理学研究室が提唱しているもので、誰でも自分の能力に応じた運動量を行うことで、体力や心肺能力の向上が可能になる運動理論なのです。体力向上というと、何かがむしゃらに運動しなければいけないようですが、「ニコニコペース」ではその名前の示すとおり、笑顔で運動を続けられるような運動強度を推奨しています。
「ニコニコペース」による運動を続けると、血中に “健康物質”が増えていきますし、健康を阻害する物質を消去してくれます。しかしそのためには、「どの様な運動をするか」にかかっています。 人の身体は適度な運動を行なうことで、次の運動に備え強化が必要と判断された場合、筋肉や血管などの強化のために栄養を使います。それと同時に必要な健康物質を体内工場は生産します。逆に言うと、運動をしないのに過剰にカロリーを摂取すると、それを脂肪として体内に蓄えてしまい、それが糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化、虚血性心疾患などの原因になるのです。「ニコニコペース」は健康物質を生産し、健康を阻害する物質を消去する最も効率のよい運動手法なのです。
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| ワンポイントアドバイス |
【福岡大学スポーツ科学部 田中 宏暁 (たなか ひろあき)先生】
適度な運動は生活習慣病の根本治療です。その効用は大きく分けて二つあります。ひとつはエネルギー消費量を増し、体脂肪とくに内臓脂肪を減らすことに貢献することです。もうひとつは骨格筋や血管や心臓を作り変え、直接インスリンの感受性を高め、動脈硬化を抑制する作用です。一つ目の効用を得るには歩数を増すようにどんな運動でも良いから積極的に身体をうごかせばよいことになります。一方2つ目の効用を得るにはある強さの運動を行う必要があります。それがにこにこペースです。
もちろんにこにこペースであれば一つ目の効用も得られますので、まさに一石二鳥で、理想的な運動療法と言えましょう。にこにこペースの運動をできるだけ毎日30分から60分続けましょう。まとまった時間が取れない方は3分とか5分ずつと細切れでも結構です。なおにこにこペースの運動の目安は3,4分運動後の心拍数が138-年齢÷2です。若干個人差がありますので、特に生活習慣病の方は運動負荷試験を受けることをお勧めします。 |
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