| 更年期障害 |
"更年期障害"とは、「更年期に生じる生理的な変化のために起こるさまざまな障害」をさします。その生理的変化は、卵巣そのものの機能が消失してしまうこと、つまり女性ホルモンであるエストロゲンが出なくなることが中心となって引き起こされます。エストロゲンは、女性としての機能を維持するために、体の多くの場所で、様々な働きをしています。ですから、逆に、エストロゲンが不足してくると多くの障害が出現してしまうのは、当たり前のことです。更年期障害の主な原因はエストロゲンの低下ですが、この時期は夫の定年や、子供たちの巣立ち、若さの喪失感など、女性にとってはストレスの多い時期であり、これが症状の悪化に強く影響することも知られています。更年期障害は、「ほてり」「のぼせ」「異常な発汗」「手足の冷え」「動悸」など、おもに血管の自律神経失調症に関係するものと、「いらいら」「うつ」「頭痛」などの精神神経症状、「肩こり」「腰痛」などの運動神経症状に大別されます。閉経後何年か遅れて発病する骨粗鬆症、高脂血症(動脈硬化症、高血圧症)、皮膚の萎縮や関節疾患などは更年期障害ではなく閉経後障害と呼ばれていますが、これもエストロゲン欠乏に大いに関連したものです。
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福岡大学病院 産婦人科
井上 善仁先生 |
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| "更年期障害"のおこる時期は? |
更年期には実にさまざまな症状が出現しますが、まず急性症状としての「更年期障害」が、閉経に前後して現れ、続いて萎縮性膣炎や尿失禁など「泌尿生殖器の障害」や「高脂血症」が現れます。そして、更年期症状がやっと落ち着いた約10年後、図らずも「骨粗鬆症」や「動脈硬化症」が出現してきます。この二つの病気は、決して突然におこるわけではありません。エストロゲンがなくなる閉経期から、自覚症状のないままに、少しづつ慢性的にしかし確実に悪化してゆくのです。この「自覚症状が出にくいこと」や、「更年期が、骨粗鬆症や高脂血症と密接に関係している」ということが、閉経以降の女性の健康管理を難しくしています。よってこれらの症状が出る前に、検査や予防的治療を開始しなくてはなりません。
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| ワンポイントアドバイス |
【福岡大学病院 産婦人科 井上 善仁(いのうえ よしひと)先生】
更年期障害はこれまで病気として捉えられていませんでしたが、女性にとっては閉経後の健康な生活を送る上で生活の質つまりQOLを損なう可能性のある重要な病気です。また骨粗鬆症、高脂血症など重大な病気が閉経後の女性が健康な生活を送るための大きな障害となるのです。健康な生活を送るために積極的に婦人科医に相談してください。きっと良い解決法が見つかることと思います。 |
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