| 動脈硬化 |
我が国の脳卒中および心疾患の死亡数は、それぞれ年間約14万人に達し、総死亡の約3割を占めています。これらの病気を考える上で「動脈硬化」というコトバをよく耳にしますが、いったいどういうモノなのでしょうか?
まず人間の動脈は、内膜・内弾性板・中膜・外膜で構成され、心臓が強い力で押し出した血液が流れるので弾力性と柔軟性を持ち合わせています。ところがこの動脈の層が厚くなったり、硬くなったりして弾力性や柔軟性を失った状態を「動脈硬化」といい、これが細い動脈に起きた時を「細動脈硬化」、比較的太い動脈に起きた時を「粥状動脈硬化」といっています。
「動脈硬化」は自覚症状がなく進行し、また心臓病や脳血管障害などいろいろな病気を起こす要因となるので、注意しなければいけない疾患です。
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福岡大学病院 循環器科
西川 宏明 先生 |
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| 動脈硬化の原因とは? |
動脈硬化は加齢とともに進行するため、一種の老化現象ともいえます。しかし動脈硬化は、同じ年齢でも血管の状態には個人差があることから食事、運動、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣の違いによって大きく影響されることが判明しています。
実は動脈硬化の初期病変は出生時から既に始まっており、個人差はあるが10歳程度から進み、30歳代で完成された動脈硬化像が作られます。つまり動脈硬化は中高年になってから発症するものではないのです。「ヒトは血管と伴に老いる」と言われますが、この生理的な動脈硬化が病的血管の変化に進展しないようにしなければなりません。
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| ワンポイントアドバイス |
【福岡大学病院 循環器科 西川 宏明 (にしかわ ひろあき)先生】
生活習慣の欧米化を背景に、動脈硬化促進因子である高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などが増加し、またそれらの因子が重複する割合も増えてきています。最近、これら危険因子の集積状態をメタボリック症候群と称し、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患の発症が正常群と比較し有意に高いことも明らかになってきています。現在、40歳以上の男性の4人に1人はメタボリック症候群と診断されるほど増加しており、内臓肥満が発症に大きな要因となる事が解ってきています。運動療法や食事療法は、これらの危険因子から回避するために非常に大切であり欠かせません。しかし頭では解っていても、目の前に好きな食材が並ぶとなかなか徹底して食事療法を実施するのは難しいものです。とりあえずは3〜4日/週と日を決めて取り組んでいき、これまでのライフスタイルの見直しをはかることから始めましょう。また運動療法は、基礎疾患の程度や症状により運動量の設定が異なる事がありますので主治医と相談してから開始しましょう。急激で過度な運動は逆効果になりうるため止めましょう。 |
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