別にこだわっているわけではないが、先月に続いて音楽映画をご紹介することにした。ジョン・ランディス監督の80年の傑作コメディ『ブルース・ブラザース』は大学生のころにリアルタイムで観た。音楽研究サークルに所属していたこともあって、ブラック・ミュージック・ファンの仲間たちから絶大支持を得ていたことを思い出す。それから18年、まさか続編が作られようとは予想もしていなかった。主役のジョン・ベルーシやキャブ・キャロウェイも世を去り、ランディス監督も90年代以降は泣かず飛ばずだっただけに、うれしい驚きだった。もちろん期待と同時に一抹の不安もなかったわけではないが。
先月も書いたが、音楽映画の成否は作り手がその音楽にどれだけ愛情を感じているかにかかっている。この場合は監督や共同脚本を努めた主演のダン・エイクロイドにソウルやリズム・アンド・ブルースといった音楽に対する敬意が強く感じられるため、観ているこちらも安心して胸を熱くすることができる(劇中で黒人音楽の先人たちの名前を列挙して、バンド結成を渋る他のメンバーを説得するシーンはちょっとストレートすぎだったが)。登場するゲストも前作を上回る豪華さ。ジェームズ・ブラウンやアレサ・フランクリンは前作に引き続き圧倒的な存在感だ。これ以上いちいち名前は出さないが、ラストのジャム・セッション場面を始め、どのシーンでも出演者がこのシリーズに出演できることを本当に喜んでいるのが画面から伝わってくる。
強烈な個性のベルーシがいない穴を埋めるべく、体型の似たジョン・グッドマンや新キャラのジョー・モートン、それに少年ブルースマンを絡ませるなど、設定に苦心の跡が伺える。ロシア・マフィアや妖術使いの魔女まで現れて賑やかなこと。前作は財政難の孤児院を救うという目的があったのでスピード感があったが、正直言うと本作はそれがない分ややのんびりした感は否めない。まあ多少作りはとっちらかっていても、歌やダンスで盛り上げろと言わんばかりの強引さがまた魅力ではある。お約束の延々と続くカー・クラッシュも再び繰り広げられるが、郊外の一本道みたいなところではなく、出来れば街の中でやって欲しかったなあ。好きなシリーズだけにいろいろと辛口の注文も付けたが、それだけ私も愛情を注いでいるのはお分かりいただけた・・・かな。さあ映画を観た後はサントラCDを買って聴きまくろう。楽しさ2倍だ。