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ターミネーター

今はカリフォルニア州知事をやっているが、ハリウッドで最もギャラの高いスターであるアーノルド・シュワルツェネッガーの出世作であり、最大の当たり役である「ターミネーター」のシリーズが全3作とも放映される。この中で映像技術、娯楽度、大作度は2作目が勝っているが、何といっても衝撃度ナンバー・ワンは1作目だろう。当時量産されたB級SFアクション映画の一本にしか思えなかった(当時はシュワちゃんも知名度は低かったはず)この作品、劇場でリアルタイムで観た人は少なかったに違いない。私も後日テレビ放映で観てそのつるべ打ちアクションとサスペンスにびっくり。それにただアクションが激しいだけでなく、ホラー映画も真っ青の恐怖感もあってサービス満点だった。

未来で機械と人間が戦闘状態になり、人間側のリーダーになるのがジョン・コナーという人物だが、機械の方が彼が生まれる前に母親を抹殺しようと、時空を超えて殺人のための機械を現代に送り込んでくる。それがシュワちゃん扮するターミネーターだ。一方の人間側もそれを阻止するための戦士カイルを派遣し、将来のジョンの母親サラ(リンダ・ハミルトン)を救うため死闘が繰り広げられる。ストーリーだけ取り上げると古いファンはおなじみの「猿の惑星」シリーズ、とりわけ「新・猿の惑星」と極めて類似しているパターンではある。しかし何といってもすごいのがシュワちゃんが感情を持たない文字どおり殺人マシーンとなっているところだ。目的を達するためには邪魔なものはすべて破壊し、殺していく人間型機械というのが、後年のスターになってからは演じることができなくなった貴重かつぴったりのはまり役である。マイケル・ビーン扮するカイルがいまいち頼りなげであるのもこの場合マイナスではなく、恐怖感が倍増しているのも見逃せない。

追いつ追われつのアクションの王道にカイルとサラのラブロマンスを絡ませ(これは単なる色添えではない重要なファクター)、しかも平凡な学生だったサラが終盤では自立した一人の女性として成長していく姿が描かれているなど、細部も侮れない必見の面白さ。低予算でSFXはちょっと稚拙なところもあるが、アイデアと演出で傑作が誕生するという見本のような映画である。「エイリアン2」や「タイタニック」で巨匠になっていくジェームズ・キャメロン監督にとっても最大の出世作であるに違いない。ついでに書いておくと、個人的に同じような感触を持った傑作に「ヒドゥン」と「トレマーズ」がある。どちらもその後シリーズ化もされて観た人も多いと思うが、いつかJ:COMで再見したいものだ。


フジマルタカユキ
1960年熊本生まれ。
中学生時代にテレビ洋画劇場にかじり付いて映画の魅力にハマる。ジャンルにこだわらないが、特に好きなのはマカロニ・ウエスタンかも。小・中学生の3人の子供たちを映画ファンにすべく画策するも道半ば。でも最近の作品って刺激が強くて子供に安心して観せられるものが意外と少ないような気もするのですが・・・。 本職は私大職員です。

ターミネーター
1984年/アメリカ/監督:ジェームズ・キャメロン(「アビス」「タイタニック」)/1時間53分
未来世界から現代のLAに、未来の命運を握る一人の女の命を奪うために残虐な殺人サイボーグがやってくる、『タイタニック』の巨匠によるSFアクション。
アーノルド・シュワルツェネッガー(「トゥルーライズ」「80デイズ」)
マイケル・ビーン(「ザ・ロック」「ボーダーライン」)
リンダ・ハミルトン(「キングコング2」「ザ・ターゲット」)