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南北戦争が舞台のドラマというのは西部劇というジャンルに入ると単純に思っていたのだが、最近は西部劇に分類されると興行価値が下がるらしく、『コールドマウンテン』や本作も全く西部劇としては売られていない。まあ『風と共に去りぬ』を西部劇と見るのも無理があるので、必ずしも近年の傾向ではないのかもしれないが、この作品は随所にガンファイト・シーンも盛り込まれていて、西部劇ファンの方にもお勧めできる作品に仕上がっている。
台湾出身のアン・リー監督が南北戦争を舞台にした青春ドラマを作ったのはなぜだろうか。この作品は南軍ゲリラに身を置く幼なじみの二人の若者の物語としてスタートするが、主人公ジェイク(トビー・マグワイア)はドイツ移民であり、後半はむしろ彼と行動を共にする黒人ホルト(ジェフリー・ライト)との関係がドラマの軸になる。南北戦争は奴隷制で意見を異にした北部と南部の対立には違いないが、さまざまな移民や宗教が混在するモザイク社会の内戦であるだけに、そう単純な話で済むものでもないはず。舞台になっているのが中部のミズーリ州で、ここは立場的にも北と南の狭間で微妙な地域である。しか
もジェイク自身は南軍側でありながら、父親は親北的なドイツ人ということで南軍から殺されてしまう。若い情熱だけではどうしようもない社会と歴史の渦に飲み込まれていく人々に、在米マイノリティであるリー監督の寄せる心情が垣間見えるようで、興味深い。
『スパイダーマン』や『シービスケット』でトップスターになったマグワイアが繊細な若者ジェイク役にぴったりのキャスティング。寡黙な黒人役のライトは『バスキア』が有名だが、TVドラマの傑作『エンジェルス・イン・アメリカ』のゲイの看護士役がすばらしく、同作でのアル・パチーノとの競演場面は最高の見せ場だった。ほとんど紅一点という役どころで歌手のジュエルが女優デビューを果たしたのも(一部で)話題となった。エンドクレジットで主題歌も歌っている。季節感がよく伝わる美しい撮影も見どころのひとつ。劇場で見逃したのが残念だ。
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フジマルタカユキ
1960年熊本生まれ。
中学生時代にテレビ洋画劇場にかじり付いて映画の魅力にハマる。ジャンルにこだわらないが、特に好きなのはマカロニ・ウエスタンかも。小・中学生の3人の子供たちを映画ファンにすべく画策するも道半ば。でも最近の作品って刺激が強くて子供に安心して観せられるものが意外と少ないような気もするのですが・・・。
本職は私大職員です。 |
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楽園をください
1999年/アメリカ/監督:アン・リー(「グリーン・デスティニー」「ハルク」)/脚色:ジェームズ・シェイマス(「アイス・ストーム」「ハルク」)/2時間19分 |
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監督は「グリーン・デスティニー」でアカデミー外国語映画賞を受賞した台湾出身のアン・リー。出演は、「スパイダーマン」シリーズのトビー・マグワイア、「スクリーム」のスキート・ウーリッチ、「バスキア」のジェフリー・ライト、「ベルベット・ゴールドマイン」のジョナサン・リース・マイヤーズ、「パッション」のジム・カヴィーゼル、そしてこれが映画初出演となる歌手のジュエルら、若手美形俳優が勢ぞろいした。
1861年、アメリカ、ミズーリ州。ドイツ移民の青年ジェイクと裕福な農園主の息子ジャックは、南北戦争が始まると南部の男として南軍派のゲリラ隊「ブッシュワッカー」に加わる。しかし闘うことに意味があるかさえも、次第に分からなくなってしまった彼らにとってこの戦いは、北でも南でもなくなる。やがて、歴史的な事件「ローレンスの大虐殺」が幕を開ける…。
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トビー・マグワイア(「スパイダーマン」「シービスケット」)
スキート・ウーリッチ(「恋愛小説家」「ミッションブルー」)
ジョナサン・リース・マイヤーズ(「アレキサンダー」「ベッカムに恋して」)
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