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スパイキッズ3:ゲームオーバー

今月は夏休みということで、ぐっと趣を変えてみました。この映画を作ったロバート・ロドリゲスという監督を、私はかなり好きである。もっとも知られているのは『デスペラード』三部作だろうが、エイリアンの体内侵略もの『パラサイト』や前半は犯罪ロード・ムーヴィー、後半は吸血鬼ホラーというめちゃくちゃな展開の『フロム・ダスク・ティル・ドーン』なんて面白すぎる傑作が多い。でもあくまでもB級テイストを貫いていることが重要で、ヒューマニズムや説教臭さとは全く無縁というのが最高だ。映像がいちいちスタイリッシュなのもいいし、どの作品でも役者たちが嬉々として演じているように見えるのは贔屓目だろうか。

ときどきエグイ描写をすることもあるロドリゲス監督が、自分の子供でも楽しめるような映画を作りたいという動機で生まれたのが、この『スパイキッズ』シリーズだ。この最終話はなんと立体映画(3-D)として製作され、劇場では赤と青の3Dメガネが配られていた。そのシーンでは「はい、メガネかけて」と指示が出ていたが、これだけでも見世物としてちょっと興奮してしまった(映像はちょっと見にくかったが)。昔「13日の金曜日」シリーズの何作目かで同趣向のものがあったが、長編映画では珍しいのではなかろうか。作品的には前2作と比べるとキレとギャグが不足した感もあるし、1人5役の悪人役シルヴェスター・スタローンの起用も効果抜群とは言いがたいものがある。その代わり主演の子役2人が成長したことで、無邪気なちびっ子スパイから思春期に近づいた年頃の子になり、大人への反発の表情に微妙な感情が垣間見えるようになったのが面白い。

子供向けの映画でも大人が楽しめるものが少なくない。夏休みは家族そろってあれこれツッコミながらテレビで映画鑑賞するのもいいものだ


フジマルタカユキ
1960年熊本生まれ。
中学生時代にテレビ洋画劇場にかじり付いて映画の魅力にハマる。ジャンルにこだわらないが、特に好きなのはマカロニ・ウエスタンかも。小・中学生の3人の子供たちを映画ファンにすべく画策するも道半ば。でも最近の作品って刺激が強くて子供に安心して観せられるものが意外と少ないような気もするのですが・・・。 本職は私大職員です。

スパイキッズ3:ゲームオーバー
2003年/アメリカ/監督・脚本:ロバート・ロドリゲス(「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」「フロム・ダスク・ティル・ドーン」)/1時間31分
姉弟諜報員の子どもが楽しいスパイ・アイテムの数々を駆使して大活躍するアクション活劇シリーズ第3弾。『ロッキー』シリーズのS・スタローンが敵役で登場。
世界を二度の危機から救った、スパイキッズ、ジュニ・コルテスとカルメン・コルテス姉弟。しかしジュニは秘密諜報員組織”OSS”への不信感から、脱退し一人探偵業を始めていた。 そんな時、話題のバーチャル・ゲーム「ゲームオーバー」が発売される。だが「ゲームオーバー」は全世界の子供達を洗脳し、世界を支配しようと企む悪の天才プログラマー”トイメイカー”が仕組んだ巨大な罠だったのだ!
アントニオ・バンデラス(「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」「フリーダ」)
カーラ・グギノ(「ザ・ワン」「歌う大捜査線」)
シルヴェスター・スタローン(「TAXi3」「ロッキー」)