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映画「砂時計」合同記者会見
         

出席者
監督:佐藤信介
出演:松下奈緒(水瀬杏役)


累計600万部突破の芦原妃名子の人気コミック「砂時計」。2007年にはTVドラマ化され、昼帯ドラマとしては異例の高視聴率をマーク。そしていよいよ待望の映画化となり、佐藤信介監督、主演の松下奈緒さんが来福し合同会見が行われた。
杏と大悟の二人の初恋を軸に、14歳から26歳までの12年間の軌跡。この作品が単なる初恋もの純愛ものとは違うのは、ヒロイン・杏が母親の自殺によって傷ついた心を抱えながら、懸命に前を向いて歩いていくという人間ドラマだからだ。撮影も原作の舞台となった島根県で行われ、杏と大悟の純粋で瑞々しい初恋の物語を奏でる。

Q.原作は10巻からなる長編ですが、一番大切にされた部分は?

監督:どこか一部を描くのではなく、最初から最後まで描くことによって「砂時計」という心打つ物語ができると思いました。ただ、すべてを描くのは難しい。この映画は恋愛ものなんですけど、杏という女性の様々な心の軌跡を描きながら、彼女の成長する姿を原作は描いていますので、そこに一番ポイントを寄せて描いたら感動する物語になるのではと思いました。そこが一番苦心したところです。

Q.少女時代の杏の人生を背負ったうえで杏を演じるという作業は難しかったですか?

松下:今回少女時代を夏帆さんが演じていて、私がバトンをもらって大人時代の杏を演じたわけですが、クランクインする前はどうしても幼い頃の杏がどういう表情をしていて、どういう声で話しているんだろうとすごく気になっていたんですね。でもそこに意識しすぎると自分もお芝居がしづらくなるし、それは夏帆さんの杏であって真似になってしまう。そのへんを意識しすぎずにやりたいなという意識はあったんですが、実際に島根に行くと心配していたことがスッキリ抜けたというか、島根の風景に出会って、ここに帰ってきたいという気持ちとすごい悲壮感もあって、撮影が始まったら大人の杏の自覚が芽生えてきて自然と役に入っていけましたね。

監督:夏帆さんが演じた杏に対するものまねになってはいけないなと思って、僕らが話し合う段階で杏というイメージを共有していた部分があるんですけど、あまり神経質にならないで松下さんの良さが滲み出るような感じで杏を描きたいと思ってやっていました。人間は成長するなかで変わっていくと思うんですね。その辺の変わっていくところが原作にしても映画にしてもテーマだと思うんです。杏という女性をふたつの方向から描いた「忘れられない杏」になっていると思います。

Q.杏という女性をどう捉えて演じられましたか?

松下:杏は弱くて脆くて誰かに助けを求めているような感じで、思っていることを口に出して言えばみんな幸せな気持ちになれるのにどうしてそれができないんだろう?と思っていたんですけど、その見えない部分を表情で語ったり、声に出さないで感じたことを表現しなければならないので、集中力とか迷いというものが今までで一番大きかった役でした。

Q.杏や大悟の心情が島根の風景に映し出されているような感じでした。

監督:原作が島根を舞台にしているので、島根で撮りたいと思いました。今回ロケハンをやる前に僕はひとりで島根を回ったんです。日本の田舎なんですけど、島根独特の山々とか霧のかかり具合とかくねった道とかいろんなものが見えてくるんですね。そのなかで「ここだ!」っていう風景があったんですが、そこは杏が初めて島根を見下ろす土地で、何気ないシーンで使ったんですが、まさに島根を代表するような展望だなと思ってそこを基点にこの映画を作って生きたいと思いました。また、大悟という存在がこの物語の中でものすごい力を持っていて、そのバックボーンは島根の風景以外ないんじゃないかなと。それで島根という設定になっている場所はすべて島根で撮影しています。

Q.少年時代の大悟を演じた池松壮亮君は福岡在住の俳優さんです。ラブストーリーものは初めてということですが、現場での様子や印象は?

監督:池松君は大悟そのものでした。大悟って島根で生まれてずっとそこにいるというピュアな育ち方をしているというような人じゃないですか。そこにリアリティを出せるのは池松君だと。かなり本格的なラブストーリーだったと思うんですが、本人のはにかんだ表情なんか含めて、演技をする前と後のすべてが大悟ぽかったですね。男の僕が見ていてキュンとするんですね、可愛いなって(笑)。大悟は杏をわかってあげたんだけどその心の奥底まではわかってあげられないというもどかしさがあって、僕もすごく共感した部分です。杏の気持ちとすれちがうもどかしさが池松君の表情よく出ていたと思います。

映画「砂時計」
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