福岡の地域情報をお届けするケーブルテレビのJ:COM福岡

Top > 映画 > 上映中シネマ > ベルサイユの子













ベルサイユの子

監督:ピエール・ショレール
出演:ギョーム・ドパルデュー/マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ/ジュディット・シュムラ
('08フランス
ザジフィルムズ)113分
公式オフィシャルサイト

(c)Les Films Pelleas 2008

シネテリエ天神

幼い息子エンゾ(マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ)を連れた若い母親のニーナ(ジュディット・シュムラ)は凍てつくパリの街をさまよう路上生活者。ある日、パリへ戻ろうとする2人は森の中で道に迷い、森で暮らす男ダミアン(ギョーム・ドパルデュー)に出会う。一夜を共にした後、エンゾを残し姿を消すニーナ。母親に置き去りにされたエンゾとダミアンは生活を共にするうち、いつしか本当の親子以上の情愛が生まれるのだが…。
昨年、37歳という若さで他界したギョーム・ドパルデューの遺作。17世紀フランスの繁栄の証であるベルサイユ宮殿のはずれには、多くのホームレスが住んでいる。この物語は絵空事ではなく現代社会の縮図だ。
社会からドロップアウトしたダミアンと、母親に置き去りにされた幼いエンゾ。共に暮らすうちに親子以上の絆で結ばれていく。守るべき存在を得て、ダミアンの中に生まれてきた愛情。家族とも疎遠だった彼が、エンゾのために社会復帰をしようとする。エンゾもダミアンの中にある誠実さを感じとる。エンゾを演じるマックスの可愛らしさといったら!ダミアンへの信頼をつぶらな瞳で表現する名演は必見だ。
感動とか泣けるとか、わかりやすい表現は一切ないというのに、じわじわと心に沁みてくる。用意された結末はほろ苦いが、単なる感動作じゃないところが本作に品格を与えている。