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ジャージの二人

監督:中村義洋
出演:堺雅人/鮎川誠/水野美紀/大楠道代/田中あさみ/ダンカン
('08日本/ザナドゥー)93分

公式オフィシャルサイト

(c)2008『ジャージの二人』製作委員会

KBCシネマ1・2

ある夏の日、会社を辞めたばかりの息子(堺雅人)が、グラビアカメラマンの父(鮎川誠)に誘われ、避暑地の山荘で一緒に過ごすことになる。 2人は、亡き祖母が集めてきた古着のジャージを着て、ゆったりとした時間の流れに身をゆだねる。東京の猛暑に快哉を叫び、増え続けるトマトの調理法に頭を悩ませ、近所のおばさん(大楠道代)を魔女だとうわさし合う何気ない日々。だが、息子にはほかの男と恋愛中の妻(水野美紀)、父には離婚の危機というそれぞれ悩みを抱えていた…。
原作は、芥川賞・大江賞作家、長嶋有の傑作小説。『アヒルと鴨のコインロッカー』で原作の持つ空気感を見事に映像化した中村義洋監督だが、本作でもその才能を存分に発揮。山荘で過ごす親子の間に流れるゆるやかな時間は、猛暑でお疲れ気味の方たちへの素敵な夏のプレゼントだ。
いい歳した男二人がジャージを着て(それも上下!)避暑地で過ごす。何か大きな事件があるわけでもなく、父はファミコンで麻雀を、息子は小説を書こうと原稿用紙に向かうがなかなかペンが進まない。じつは、それぞれ家庭の悩みを抱えているのだが、あえて口にしない。でも互いに何かあったんだろうなとは感じている。何もしないのではなく、その場の空気を大切にしている。そんな居心地のよさがこの映画にはある。
親子に扮するのは人気実力派俳優の堺雅人とシーナ&ロケッツの鮎川誠。よくぞこの二人をキャスティングしました!と拍手を送りたくなる見事なキャスティング。マイペースな父を演じる鮎川誠の一見棒読みに聞こえる台詞まわしも深い味わいがあり、そんな父親を包み込むような包容力を感じさせる息子を演じる堺雅人の芝居の上手さに舌を巻く。
なんかこう、いい映画です。