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ぼくを葬(おく)る[R-15]
監督:フランソワ・オゾン
出演:メルヴィル・プポー/ジャンヌ・モロー/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ/ダニエル・デュヴァル/マリー・リヴィエール
('05
フランス/ギャガ・コミュニケーションズ)81分

公式オフィシャルサイト

(C)2005 Fidelite - France 2 Cinema – Foz

シネテリエ天神

パリで活躍している売れっ子のファッション・フォトグラファーとして忙しい日々を送っていたロマン(メルヴィル・プポー)は、ある日、医者から余命3ヶ月という衝撃の事実を告げられる。同棲中の恋人に別れを告げ、家族にも秘密にしたまま、唯一の理解者である祖母ローラ(ジャンヌ・モロー)にだけは真実を話す。刻々と迫る命の期限。ロマンはふと、カフェで出会った女性、ジャニィ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)の風変わりな願いを思い出す。子供のできない夫に代わって、代理父になってくれないかというのだ。子供は嫌いだと断ったロマンだったが、いつまでも心にひっかかっていた。仕事を辞め、ひとりで死に向かい合うロマンが見つけた答えとは…?

フランスの若き巨匠、フランソワ・オゾン。そのオゾンの最新作は、“死についての3部作”の第2弾。第1弾の「まぼろし」では“愛する者の死”を描き、続く第2弾で描くのは“自分自身の死”だ。
美しく魅力的な容貌に恵まれ、将来有望なカメラマンのロマンは31歳。ある日突然、余命3ヶ月だと宣告される。死への恐怖、絶望…様々な感情がロマンを襲う。
しかし、ここからがちょっと違う。「死」をテーマに扱った作品は、主人公がこれまでの人生を振り返り、家族、恋人、友人らと死ぬ間際まで精一杯生き抜こうとする姿を描くのが大半だ。ところが、本作では自分の病気を両親や姉に告げず、恋人には一方的に別れを告げる。たったひとりで死に向かうのだ。唯一打ち明けるのは祖母だけ。そして、ロマンの前に現れた見知らぬ女性。代理父になってほしいと言われたロマンは1度は断るが、彼女の望みを受け入れる。
主人公・ロマンを演じたのはメルヴィル・プポー。オゾン監督が“観客が恋におちるような”魅力的なキャラクターを目指したというその言葉どおり、端正な顔立ちと艶やかな眼差しが美しく、ロマンの心の葛藤をオーバーに表現することなく繊細に演じている。ロマンの祖母ローラを演じるのは大女優ジャンヌ・モロー。ロマンが一緒に寝ていいかと訊ね、「あたし裸で寝てるのよ」と言うシーンがあるが、もう天晴れ!さすがの貫禄である。
映画のラスト、ロマンはたったひとりで自分の死を見届ける。オゾン監督が描く死生観に正直戸惑ってしまう箇所がいくつかあるが、様々な葛藤を経てやがて「死」までもを人生の一部として受け入れるロマンの心の旅路が心に残る。