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監督・脚本・出演:ナサニエル・カーン
出演:フィリップ・ジョンソン/ビンセント・スカーリー/I・M・ペイ/ルイス・I・カーン
('03アメリカ/レントラックジャパン)116分
■公式オフィシャルサイト
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| (C)2003 The Louis Kahn Project,Inc. |

1974年、ニューヨーク・ペンシルヴェニア駅の男性用トイレで心臓発作のために、一人の男が亡くなった。所有していたパスポートからは住所が消されており、身元が判明するまでの3日間は死体安置所に保管される事となった。彼の名はルイス・カーン。ソーク生物研究所やキンベル美術館、バングラデシュ国会議事堂など世界を驚嘆させる建築物を創造し、独自の哲学的な語り口でも知られる現代建築の巨匠である。
カーンには妻と2人の愛人(それぞれに一人ずつの子供)がいた。カーンの二番目の愛人の子であったナサニエルは、父親の死から25年後、父親探しの旅を映画として撮り始める。父親をよく乗せたタクシーの運転手、父親の仕事仲間や親類を取材し、そして世界中に点在する父が残した建築物…。
本当の父親を知らなかった息子が、父親探しの旅を通して、自らを見つめなおしていく。 |
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現代建築の巨匠、ルイス・I・カーン。彼は煉瓦、コンクリートと光の幾何学構成により、精神的な建築群を創造した20世紀の中でも最も重要な建築家のひとりである。一方で、彼の私生活は多くの謎に包まれ、1974年、身元不明のままニューヨーク、ペンシルバニア駅の男性用トイレで心臓発作のため死亡した。
本作の監督であるナサニエル・カーンは、ルイス・カーンの実の息子である。その彼が、父親の謎めいた人生、父親を受け入れるために、世界中にあるルイス・カーンの建築物を辿りながら、5年もの歳月を費やして珠玉のドキュメンタリーを作りあげた。
理想主義で予算などクライアントに対して目を向けず、大きなプロジェクトを他の建築家に奪われることもしばしば。しかし、その建築家たちがルイスの才能を認めていた。仕事人間だったルイスは家庭をあまり省みず、自分の部下の家庭まで壊してしまう。その一方で、ルイスの人間に対する愛情は深く、エネルギッシュで、彼の残した建築物は本当に美しい。
カーンと幼い頃のナサニエルで作った“クレイジーな船”のスケッチをもとに具現化した“アメリカ吹奏楽団のための船”を訪ねたナサニエルが、船長にルイスの息子だと告げる。船長の目には涙が溢れ、ナサニエルを抱きしめる。父親に一歩近づいた瞬間である。そして、ルイスの本妻の娘、愛人の娘と息子が集まって語り合う。この3人のシーンがとても好きだ。ナサニエルは、自分の知らない父親の姿を追い求めながら、自分自身を見つめ直し、凝り固まった胸の奥のしこりがゆっくりと溶けていく。
建築に興味のある方はもちろん、ルイス・カーンを知らない人も十分楽しめる作品になっている。 |
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