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16歳の歩美(木村文乃)は孤独に耐えきれずに家を飛び出し、亡き父の思い出の地・阿蘇山の押戸岩で手首を切る。意識を失い倒れていたところを装蹄師の桜田(犬塚弘)によって、彼が働く「阿蘇ふれあい牧場」へ運ばれる。牧場では、かつて競馬界で名調教師として名を馳せた安藤(勝野洋)とその家族、ある出来事をきっかけに過去を捨てた元高校教師・楠田(榎木孝明)、言葉を失った少年・慎也(小林幸一朗)たちが暮らしていた。
一命を取り留めた歩美は、しばらくそこで生活することを決意。阿蘇の雄大な自然の中、彼らの誠実な人柄にふれ、元競走馬メイワジョニーとの出逢いを通して、次第に心を開いていく。そんな矢先、自分を励ましてくれた桜田が突然亡くなり、歩美は深い失意の底に突き落とされる…。 |
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動物と触れ合うことによって癒しを育む《アニマルセラピー》。本作は、太陽、空、水、風、といった自然と触れ合い、馬との温かい交流によって心を癒す“セラピー映画”である。
主人公の歩美は孤独感に耐え切れずに何度もリストカットを繰り返し、心を閉ざしている。阿蘇の雄大な自然と、牧場の人たちの誠実な人柄、元競争馬メイワジョニーとの出会いによって少しずつ心を開いていく。幼いときに大好きな父親を亡くし、母と二人で生きてきたが、その母は仕事に忙しく歩美は母親の愛情を感じることができずにいた。また、元教師で今は牧場の乗馬指導員をしている楠田も過去にある傷を負い、その傷から抜け出せないでいる。歩美は、自分と同じ自殺未遂を繰り返す女生徒を死なせてしまったという楠田の過去を知る。自分を励ましてくれた老装蹄師の桜田の死、メイワジョニーの骨折、徐々に生きることに向かい合い始めていた歩美は、再び心を閉ざしてしまう。
タイトルの「風のダドゥ」のダドゥとは、馬の体の中から聞こえる風のうねりのような音のことで、この命の響きが、歩美に生きる力を与えるのだった。
歩美を演じるのは、本作が初主演作品となる新星、木村文乃。乗務員の楠田を榎木孝明。一本気な牧場主・安藤に勝野洋。歩美を大きな心で包み込む老装蹄師・桜田に犬塚弘、歩美の母亜紀子を萬田久子が演じる。監督は、「ドン松五郎の生活」「ウィニング・パス」の中田新一。
劇中で桜田が歩美に「生きることを難しく考えるんじゃない」と諭す。まるで、心と体の距離のとり方が下手になってしまった現代人へのエールのように思えてならない |
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