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佐賀のがばいばあちゃん
監督:倉内均
出演:吉行和子/工藤夕貴/浅田美代子/山本太郎/緒方拳/三宅裕司
('06
日本/ティ・ジョイ)104分

公式オフィシャルサイト

(C)映画「佐賀のがばいばあちゃん」製作委員会

中洲大洋

新幹線の車中、会社員の岩永明広(三宅裕司)は、母と離れ一人旅の寂しさに泣きべそをかいている少年に出会う。どこかで見た光景だと思った途端、車内は昭和32年当時の客車に変わっている。窓に泣き顔をくっつけている少年、それは、44年前の明広本人だった。
戦後まもない広島で、原爆症の父親を亡くし、居酒屋で懸命に働く母(工藤夕貴)に育てられていた明広は、母の元をひとり離れ、佐賀にあるばあちゃん(吉行和子)の家で暮らすことになる。最初泣いてばかりいた明宏だが、夫の死後7人の子供を育て上げ、貧乏だが楽しく生きるばあちゃんと暮らすうちに、逞しい少年へと成長していく…。

B&Bの島田洋七が、少年時代に佐賀の祖母の家へ預けられた経験を書き下ろした自伝小説「佐賀のがばいばあちゃん」の映画化。
原作はすでに115万部を突破し、貧乏だけど明るく元気に生きるばあちゃんと明広少年の姿に、多くの人々が勇気付けられ、涙した。本の中で印象的なのが、がばい(すごい)ばあちゃんの数々の“名言”である。
「お腹がすいた」と言えば、「それは気のせい」と言い切るばあちゃんに、明広は何も言い返せない。自分の家は貧乏だと自覚し、それを恥だと思わせないばあちゃんの教育の素晴らしさ。でも、明広が野球部のキャンプテンになったとき、お祝いだといって1万円を手にスポーツ用品店で一番高いスパイクを買いに行く。微笑ましいエピソードの中に、ばあちゃんの明広への深い愛情が感じられ、胸が熱くなる。
笑って泣いてと素敵なシーンがたくさんあるが、一番のお気に入りは中学最後のマラソン大会シーン。応援に駆けつけた母親の姿を見て、明宏よりも中野先生が先に泣き出すところは原作を読んだ時もグッときたが、線路で母親のいる広島へ向かって寂しい気持ちを大声で叫んでいた小さな明宏の姿がオーバーラップし、映画を見てまた泣いてしまった。
がばいばあちゃんを演じるのは吉行和子。明広の母を工藤夕貴、他に、浅田美代子、三宅裕司、山本太郎、緒方拳、島田紳助といった豪華な顔ぶれ。監督はテレビドラマ界で活躍中の倉内均