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監督:犬童一心
出演:オダギリジョー/柴咲コウ/田中泯/西島秀俊/歌澤寅右衛門/青山吉良/他
('05日本/アスミック・エース)131分
■公式オフィシャルサイト
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| (C)2005「メゾン・ド・ヒミコ」製作委員会 |

塗装会社の事務員として働く吉田沙織(柴咲コウ)は、ある事情で借金を抱え、夜はコンビニでバイトをしている。そんなある雨の日、彼女のもとに若くて美しい男が訪ねてくる。青年の名は岸本春彦(オダギリジョー)。彼は、沙織の父・卑弥呼(田中泯)の恋人だった。春彦は、父が癌で余命幾ばくもないと言い、父の経営するゲイのための老人ホームを手伝わないかと誘う。父を憎み、その存在さえも否定してきた沙織だが、破格の日給と遺産をちらつかされ、老人ホームの手伝いに行くことを決意。翌日曜の朝、老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」の門をくぐる。プチ・ホテルを改装した建物には、個性的な住人ばかりが暮らしていた。みんな明るく賑やかに迎え入れてく れるが、実の父・卑弥呼は娘との予期せぬ再会に戸惑い、沙織はその場所すべてに嫌悪感 を抱くのだった。
日曜日ごとに沙織はホームへ出向く。最初は奇妙な住人たちと距離を保っていたが、彼ら の底抜けに明るい日常とその裏側に隠された孤独感や悩みを知り、少しずつ心を許すよう になる。しかし、平穏な日々に翳りが見えはじめる……。
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『ジョゼと虎と魚たち』の犬童一心監督と渡辺あや脚本コンビの第二弾。
ゲイである父親を嫌い、その存在を否定してきた沙織。その父親の恋人である春彦。癌に冒され死期が近い父親・卑弥呼。非常に難しいテーマと設定に挑戦しながら、描かれているのは人と人とのつながりと愛だ。
老人ホーム「メゾン・ド・ヒミコ」には、いろんな過去を持つゲイたちが住んでいる。最初は嫌悪感しかなかった沙織の心の中で、住人たちと関わっていくうちに、頑なだった心に柔らかな光が差し込んでいく。一方で、住人たちの抱える社会的問題や差別といったリアルな部分や、住人たちの個性あふれるベッドや、お盆を迎えるための灯篭やおはぎなど、感受性豊かなゲイたちの日常を描き、そのバランスがじつにいい。
ゲイの青年・春彦を演じるオダギリージョーが美しい。哀しい笑顔の裏側で、愛する人を失うことに怯えている繊細な感情が色っぽいのだ。沙織役の柴崎コウは、ほとんどすっぴんに近いメイクで役に挑み、娘として女として揺れ動く心の葛藤を見事に表現している。
そしてなんと言っても、卑弥呼を演じる田中泯の存在感がすごい。全身から漂う品のよさとたたずまいの美しさに圧倒される。
見ている者の「心の壁」もいつのまにか取り除いてくれている愛に満ち溢れた作品だ。
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